2016年2月1日付で国立循環器病研究センター理事長を拝命いたしました小川久雄です。国立循環器病研究センターは1977年7月に開設されました脳卒中と心臓病の患者さんの専門的治療と研究を行っている世界でも有数の施設で、今年で40年目に入りました。私はレジデント4期生として1981年から1984年まで勤務しました。今年は39期生のレジデントを迎えます。レジデントの出身地は全国におよび、レジデントと専門修練医の総数は1900名を超えています。私は、その後2000年から熊本大学循環器内科教授を務め、2011年4月から国立循環器病研究センターの副院長を併任、2015年10月からは専任となりました。
橋本信夫前理事長のご尽力により、長年の懸案であったセンターの建替問題について、2013年6月に、JR東海道本線岸辺駅前のいわゆる吹田操車場跡地への移転建替が決定されました。新しい国立循環器病研究センターは、駅に直結した長さ270メートル、幅80メートル、地上10階、地下2階の病院、研究所、研究開発基盤センター、企業·大学等の研究者と共同研究を行うオープンイノベーションセンター(OIC)が一体となった巨大な建物であり、2019年7月に運用開始の予定です。
また、センターが移転するエリアは、北大阪健康医療都市(健都)という名称で、当センターのみならず、吹田市民病院や高齢者向け複合居住施設、予防医療を目指した健都マンション、健康増進広場、さらにはイノベーションパーク等を擁する面積30ヘクタールの医療クラスターとなる予定です。
センターの基本理念は3つです。橋本前理事長の将来構想の継続です。
第一は「循環器病の予防と制圧」の国際拠点を目指すこと。第二はOICやイノベーションパークを中心としたオープンイノベーションにより最先端医療·医療技術の開発で世界をリードすること。第三はオープンイノベーションに連動した周辺エリアの産業活性化を起こすことです。
陸路、空路の便が良く、近隣にもトップレベルの大学や研究機関が集積する健都を、循環器疾患分野の予防、治療、研究、情報発信等で世界をリードする地域、「健康・医療のまち」にできるよう取り組んでまいります。皆さまのご協力を宜しく御願いいたします。
(2016年8月24日記)