吹田市と摂津市の両市にまたがる吹田操車場は、昭和59年(1984年)にその役割を終え、跡地の有効利用が求められてきました。その後、長期にわたり協議・検討を重ね、平成18年(2006年)2月に、環境対策をはじめとする諸課題が整理・解決されたことから、大阪府、吹田市、摂津市、日本鉄道建設公団(現在の鉄道・運輸機構)及び日本貨物鉄道株式会社の関係5者間において「吹田貨物ターミナル駅(仮称)建設事業の着手合意協定書」を締結し、跡地のまちづくりが始まりました。吹田市は、平成21年(2009年)10月に国立循環器病研究センターの移転要請を行う等、誘致に向けた取組を進め平成25年(2013年)6月、国立循環器病研究センターは吹田操車場跡地に移転することを決定しました。
吹田市は、同センターの移転にあわせ、隣地に市立吹田市民病院を移設することを決定しました。また、吹田市と摂津市では、2つの医療機関を中心として、医療連携体制を構築し、更に地域の医療機関とも連携することで地域医療の発展に貢献するとともに、医療関連企業の立地を促し、医療機関と医療関連企業などが集積した複合医療産業拠点(医療クラスター)の形成を目指しています。
こうしたまちづくりの方向性から、平成27年(2015年)に、地区の名称を北大阪健康医療都市(Northern Osaka Health and Biomedical Innovation Town(NohBIT))に、愛称を健都(けんと)にすることとしました。
その他、北大阪健康医療都市(吹田操車場跡地)のまちづくりの歴史や経過については、吹田市「吹田操車場の歴史・経過」のページや吹田市「吹田操車場跡地に関するこれまでの取組」のページなども御参照ください。
時期 | 内容 |
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大正12年 (1923年) | 吹田操車場 操業開始 東洋一の規模を誇る物流拠点に |
昭和59年 (1984年) | 操車場の機能を廃止。信号場となる |
昭和62年 (1987年) | 旧国鉄分割・民営化、国鉄清算事業団発足 梅田貨物駅機能の吹田操車場跡地への全面移転計画が明らかになる |
平成11年 (1999年) | 梅田貨物駅の吹田操車場跡地への移転計画に関する基本協定書及び確認書の締結 (梅田貨物駅機能の半分を吹田操車場跡地に) |
平成16年 (2004年) | 梅田貨物駅機能の残り半分の移転先について、大阪市内「百済」駅を改修し、整備する案が明らかになる |
平成18年 (2006年) | 「吹田貨物ターミナル駅(仮称)建設事業の着手合意協定書」を締結 経済界、学識経験者、行政が中心となる「吹田操車場跡地まちづくり計画委員会」設置 |
平成20年 (2008年) | 「吹田操車場跡地まちづくり全体構想」を策定 まちづくり基本方針~「緑と水につつまれた健康・教育創生拠点」の創出 「吹田操車場跡地まちづくりアイデア募集コンペ」実施 |
平成21年 (2009年) | 吹田市が、国立循環器病研究センターに吹田操車場跡地での事業展開について検討を依頼 |
平成24年 (2012年) | JR岸辺駅北交通広場・南北自由通路供用開始 市立吹田市民病院の吹田操車場跡地への移転建替を決定 |
平成25年 (2013年) | 吹田貨物ターミナル駅開業 国立循環器病研究センターの吹田操車場跡地への移転が決定 国立循環器病研究センター、吹田市、摂津市、UR都市機構でセンターの移転に関し基本協定書を締結 |
平成26年 (2014年) | 国循「医療クラスター形成に関する基本的な考え方」を関係者間で合意 吹田市「健康・医療のまちづくり」基本方針の策定 関西イノベーション国際戦略総合特区への区域追加が承認される |
平成27年 (2015年) | 地区の名称を北大阪健康医療都市(愛称:健都)に決定 |
平成30年 (2018年) | 都市型居住ゾーン(ローレルスクエア健都ザレジデンス)への入居開始 健都レールサイド公園[健康増進広場]の供用を開始 駅前複合施設(VIERRA岸辺健都)が開業 市立吹田市民病院が北大阪健康医療都市に移転 |
令和元年 (2019年) | 国立循環器病研究センターが北大阪健康医療都市に移転 |
大正12年(1923年)、吹田市と摂津市の両市にまたがる吹田操車場が操業を開始し、当時、東洋一の規模を誇る、我が国の物流拠点として経済活動や国民生活を支える重要な役割を担ってきました。
しかし、昭和59年(1984年)、高速道路網の整備とともに物流が鉄道輸送から道路輸送へと移行する中、約60年間にわたる役割が閉じられました。
約60年間にわたる吹田操車場の軌跡を、まちの記憶として鉄道をモチーフにしたデザインが随所に埋め込まれています。
このように、ここが操車場であったことを思い起こさせる整備がありますので、そうしたものを探しながらまちを歩くのもいいかもしれません。
さて、ここは、どこでしょう?